2013年8月9日金曜日

藤子F不二雄 「異色短編集4」part3~「同録スチール」


前回の投稿から2週間近く、
空きが出来てしまいました。

今回は、連続して紹介します。
前回「値踏みカメラ」の続きです。




title「女には売るものがある」


5ページの作品。
男女の主権が逆転したらどうなるかの漫画です。

現実世界の売春。
女の側から話しかけそのままホテルへ。
しかししていることは性交ではなく、
「女は男に仕えるべきだ」を体現したモノ。
つまりは、男性の方が昔風の威張り腐った亭主
役を演じて、女の側は文句も言わず従う女性を
演じるというモノ。

時間が来て、警察に連行されます。
この世界では、女性が立場が上で警察の人も
皆女性です。


title「同録スチール」


主人公の少年、高志が親友と話しているときに
「ヨドバ氏」が、それならこのカメラを・・・といって
会話に入り込んできます。
そのまま無視して家に帰りますが、
値踏みカメラと同じように、主人公の部屋に
直接いて、カメラを残して行きます。

親友はスネ夫的人物で、話していた内容は
主人公の好きな女の子に話しかけられない
主人公の情けなさについて。
自分が代わりに、あの子に図ってやろうと言いますが、
実際は自分がその子と仲良くなるための口実。

ヨドバ氏のカメラは、撮影時の音も同時再生させるというモノ。

試しにアルバムを開いて、両親の声を再生してみる。
子供時代の自分への期待やら、
自分が生まれてタバコをきっぱりやめた父親の
話やらを知り、
たまの勉強をすることに。
異性関係は俺には早すぎると言って、
親友に「忘れた。意味ないから」と言いますが、
あの子の写真を撮ってきたと言われ
それとこれとは別だと写真を貰います。

部屋にはカップ麺を食べているヨドバ氏。
カメラを買う話に。

お金がないので、契約書だけ書いて帰ることに。
カメラも使えないままです。
(彼女の写真から声を聴こうと思ったらしいですね)

そして親友の方から、あの子には資産家の彼氏がいるから諦めろという催促が。
その言葉通り、忘れて勉強しますが、
ヨドバ氏はカメラを買ってくれないと困ると
契約書を出して、カメラを買わせます。

手元に残ったカメラで、親友の撮ってきた写真の
音を再生すると、上記通り、
奴自身があの子に近づいていた事を知ります。

けれどあの子は親友には興味がなく、
自分が好きなのは、いつもすれ違う自分の事だと知って、
自分の写真に自己紹介音声を付けた写真を
送っておしまい。

月賦とはいえ、珍しくまともに商品が売れた
稀有な例。大体この人は使うだけ使われて
「要らない」と返されたり、とんでもない人でなしの値段に値切られたりというのが普通です。

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